こんにちは!ゴンです。
前回のブログで「呼吸は発達の土台」であり「口呼吸は発達に悪影響を与える」と書きました。
そして口呼吸には深く関わる4つの要因があります。
姿勢、腸の機能低下、ストレス、寝不足の4つですね。
今回から数回にわたってこの4つの因子を深掘りしていく予定です。
まずは姿勢と口呼吸との関りについて書いていきます。
この記事を読むと、呼吸と姿勢の関連性が理解しやすくなると思います。
ぜひ最後までご覧ください!
そもそも「良い姿勢」とは?
これは整体院を運営している私にとって得意な分野になります。
そもそも、自閉スペクトラムをはじめとする発達障害を抱える方の多くは姿勢が悪いです。
また健常者の日本人約10万人の姿勢を分析したところ、その中の実に93%が姿勢に問題を抱えていたというデータもあります。
最近は椅子や枕、さらには下着まで「姿勢改善」をテーマにした商品が数多く出ていることからも、世間の「姿勢」への関心の高さが伺えます。
とにかく身体のこと、発達のことを考えると「姿勢」は避けては通る事ができない分野だといえるでしょう。
さて、人体には「理想的な姿勢」というものが明確に存在します。
「立位姿勢を横から眺め、外くるぶし前方の基準点から垂直方向に線を引き、その基準線の中に
①膝蓋骨(膝の皿)のやや後面 ②大転子(股関節の骨) ③肩 ④耳の穴 の4点が収まっている状態」
これが「理想的な姿勢」です。

せっかくですから、ぜひお子さんの姿勢を確認してみてください。
また、姿勢を確認する時はぜひスマホやタブレットを使って写真撮影をしてみる事をオススメします。
その際は三脚等を用いてレンズが床から85センチくらいの高さに来るようにして撮影できると精度が高まるので、そのあたりもぜひ意識してみてください。
さて、姿勢写真の撮り方としては
①リラックスして立つ。
②その場で5回ほど足踏みをする。
③足踏みが止まったらスマホのシャッターを押す。
④外くるぶしのほんの少し前から垂直方向に基準線を引く(グリッド線アプリなど入っているとやりやすいです!)。
さあ、お子さんの姿勢はどうだったでしょうか?
「完璧なバランスだった!」と胸を張って言える方は少ないのではないでしょうか?
理想的な姿勢であれば身体に余計な力が入ることなく過ごせますが、この姿勢のバランスが崩れると、身体を支えるのに余計なエネルギーが必要になります。
例えば、頭が「理想的な姿勢」からたった3㎝前方へ移動しただけで、身体に加わる荷重は頭そのものの荷重の2倍になります。

すると当然、この荷重を支えるために首の筋肉の緊張が強まります。
首の緊張が強まると、平衡感覚を司る前庭神経と見え方を司る視神経への負荷が強まるということが明らかになっています。
感覚統合がされていない発達障害児にとって、これはとてもつらい状態でしょう。
もちろん、その他の問題も数多く出現します。
口呼吸も、その一つです。
姿勢悪化で口呼吸になるメカニズム
姿勢には老若男女問わず「最初に悪化する」ポイントがあります。
頭の位置が、理想的な状態よりも前に移動する「頭部前方変位」。
必ずこの「頭部前方変位」から姿勢の悪化は始まります。
つまり、いま現在姿勢に何らかの問題を抱えている人は、必ず「頭部前方変位」の要素を持っているわけです。

では、今この記事を読んでいるそこの貴方、試しにこの頭部前方変位を意図的に作ってみてください。
そして鼻で大きく息を吸ってみてください。
…….
はい、息を吸いづらいことと思います。
そうです、「頭部前方変位」があると鼻からの気道が狭くなるために、呼吸がうまくできません。
それを補うために口も使って呼吸をするようになるのです。
ただし、あくまでもヒトは「鼻呼吸」をメインにするよう作られています。
毎日20000回行われる呼吸が好ましくない形で行われたらどうなるでしょうか?
風邪などの感染症をはじめとする多くの疾病リスクが上昇するだけではありません。
脳の温度上昇による情緒の不安定性や酸素不足による知能や発達の遅延といった多くの発達面での悪影響が出ます。
一刻も早く改善させていきましょう。
そして姿勢に問題があるならば、まずは姿勢にアプローチしてみて損はありません。
「理想的な姿勢」になるためのイメージ
先に書いたように、姿勢に問題がある人は必ず頭部前方変位を通ってきています。
この頭部前方変位に対しては、まず普段の姿勢に対するイメージが大切です。
自分の頭頂部をなるべく高い位置に持ってくるイメージを持ってください。

目線は上にせず、正面のままで良いです。
頭をなるべく高い位置に持ってくる。
この状態で試しに先ほどのように姿勢写真を撮ると、人によってはビックリするくらい姿勢が良くなっています。
「うちの子は猫背なんだけど~!」「うちの子は反り腰だから関係ないよね~!」
と思ったそこの貴方!
大丈夫です。
猫背も反り腰も頭部前方変位を起点として始まっています。
この頭頂部を高くする意識で、猫背も反り腰も変わっていくことがほとんどです。
だからまずは、この「頭頂部を高くする」イメージを、ぜひ子供さんに身につけさせてください。
もちろん、親御さんである貴方も一緒に。
さて、頭頂部を高くするイメージを持てたらその上で、舌を上あご(口蓋)にくっつけてください。
舌が口蓋に密着することで、広々とした鼻腔が作られて鼻呼吸がしやすい身体に成長することができます。
逆に舌の位置が下がってしまうと(低位舌)、口呼吸を助長する形になってしまいます。
舌は常日頃から上あごにくっついている状態が理想です。
なので、
①頭頂部をなるべく高い位置に持ってくる
②舌を上あごにくっつける
この二つをしっかりと意識してください。
外遊びは最高のエクササイズ!
さて、姿勢改善にはエクササイズがとても有効です。
実際に私も姿勢に問題のある患者様にはエクササイズを指導することがほとんどです。
で、指導をすると皆さん、「普段こんな部位の筋肉を意識したことなかった!」「こんな動き普段やらない!」とおっしゃいます。
そうなんです、姿勢は現代人が「普段やらないこと」をすると改善されます。
現代人が普段やっていることは?
机に向かってPC・スマホをポチポチいじり、立ち上がるのはトイレに行く時くらい。
子供さんの遊びもテレビゲームなどが多いです。
結果、姿勢に問題が生じて口呼吸になります。
では、子供さんにとって最も良い姿勢改善エクササイズは?
そうです、身体を使って思いきり遊ぶことです。
駆け回るのはもちろん良いですし、横走りや後ろ歩き、雲梯や鉄棒にぶら下がる、ブランコに揺られる、高い所から飛び降りる、ジャングルジムに登る…….
とにかく色々な種類の刺激を身体に入れることが大切です。

次々と入る様々な刺激に身体は適応しようとします。
すると身体に負担のかかる頭部前方変位などの姿勢の問題は、自然と変化していきます。
都市部では広い場所を駆け回ることは難しいかもしれませんが、もし外遊びができる環境ならば、ぜひお子さんを外へ連れ出してあげてください。
体力がつき、姿勢が良くなり口呼吸も改善される可能性がグッと高まります♪
「親の背中を見て育つ」は本当!
長くなりましたが最後に大事なことを一つ。
子供は最も身近な大人である親からの影響を大きく受けます。
姿勢も例外ではありません。
親子の姿勢は物凄く似ます。
面白いことに、これは万国共通です。
ですから、ぜひ子供さんだけでなく、このブログをご覧になっている皆さん自身も、この記事に書いた姿勢の問題はぜひ意識して頂きたいのです。
親御さんの背筋がピシッと伸びていたら、子供さんの姿勢も良くなりやすいです。
ぜひ、親子二人三脚で姿勢の問題に取り組んでみてください!
きっと良い影響が起きるはずです♪


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