息子は調子が悪い時、自分で頭をガンガン叩きます。
以前に比べて随分少なくなっていますが、それでも週に数回は頭を叩きます。
これが酷かったのが2年前。
荒れて泣いて「抱っこしろ!」と話せないのでジェスチャーで求めてくるのですが、抱っこしてからが大変。
頭を親のオデコやこめかみに打ち付けてきます。
この頭突きのラッシュには心底悩まされました。
防御のために工事用のヘルメットをホームセンターで買ってきたくらいです。(幸い程なくしてこの頭突きは収まったので、使うことはありませんでしたが…)
この頭を自分で叩く・自ら壁に打ち付けるという行為は自閉スペクトラムあるあると言われています。
原因は色々言われていますが、私は頭蓋の問題が大きく関与していると考えています。
頭蓋骨は動いている
頭蓋骨は15種22個の骨の集合体です。
それぞれの骨が「縫合」という形で隣の骨と繋がっています。
一般的な医学の考え方では頭蓋骨は縫合部がガッチリと噛み合い、骨化しているので動くことは無いとされています。
しかし、カイロプラクティックなどの徒手療法の世界では頭蓋骨は縫合部で動く。
このように考えられています。
この「頭蓋骨は動くのか?」という論争は古くから本当にたくさんの場所で行われているので、興味のある方は是非ググってみてください。
こちらでは「頭蓋骨は動く」という前提に立ってお話していきます。
頭蓋骨が動くメカニズム
これは頭蓋骨の下を流れる脳脊髄液の循環と関係しています。
脳脊髄液とは、脳内で作られるリンパ液に似た液体です。
脳と脊髄の保護・栄養・老廃物の除去といった役割を持っています。
この脳脊髄液は脳内で毎分0.3~0.4㏄生成され、古い脳脊髄液はほぼ同じ速度で吸収されています。
1分間に8~12サイクルのリズムで生じる頭蓋骨の動きは、この脳脊髄液の分泌と吸収によって生じる内圧の差によって生じているわけですね。
この頭蓋骨の運動は、私たちが生きているうちは必ず続きます。
普段の生活で意識することはまずありませんが、それこそ胎児のうちから最期を迎える瞬間まで、頭蓋骨は動き続けるのです。
頭蓋骨はしかし、たくさんの骨の集合体です。
一ヶ所でも動きが悪くなると、その問題は徐々に頭蓋骨全体に波及して脳脊髄液の流れに悪影響を与えるようになります。
すると、身体には多くの症状が現れます。
頭痛やめまい、うつや適応障害、そして学習障害をはじめとする自閉スペクトラムの多くの問題も、そこに含まれます。
頭を叩くのは彼らなりのセルフケアなのかもしれない
頭蓋障害は、脳脊髄液の還流に悪影響を与えます。
脳脊髄液の流れに問題が生じると、余計な圧力が脳に加わり、神経の伝達が悪化することにより、頭痛をはじめとした諸々の症状が現れるわけです。
自閉スペクトラムの人は視覚・聴覚・触覚などの感覚統合がうまくいっていないケースが多いですが、これも頭蓋障害に一因があることは多いと考えられます。(このあたりはまた後日改めてお伝えします。)
自閉スペクトラムの子供さんは、自分の想いを言葉にすることが苦手である傾向が強いです。
「頭が痛い」と大人に伝えることが出来れば対応してもらえますが、言葉でうまく伝えられないのであれば、自分自身でどうにかするしかありません。
その結果、自分で頭を叩いたり壁に頭を打ち付けるといった、傍から見ると「自傷」と見られる行為に走るのです。
頭を叩くことで、どうにかして頭蓋内の圧力が高まっている箇所を除圧しようと本能的に試みているわけですね。
ちなみに、指しゃぶりも「彼らなりのセルフケア」であることが多いです。
口をすぼめる、指の腹で上顎を押すといった行為で頭蓋骨の歪みを本能的に矯正しようとしているわけです。
親としては止めさせたい行為でも、本人にとっては欠かせない行為である可能性が高い。
となると無理矢理押さえつけるのは本人のためになりません。
でも頭突きをはじめとしたケガの恐れのある行為を野放しにすることもできませんよね?
でもご安心ください。
そこは親が代わりにケアしてやれる可能性が高い分野でもあります。
次回、安全かつ効果的なケアをお伝えします!
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