さて、前回のブログでは自閉スペクトラムの子供が頭を叩くメカニズムについて書きました。
基本的には頭蓋障害を抱えているので頭を叩くという内容でしたね。
頭蓋障害があるなら頭蓋骨を調整する事が当然、ベストです。
ただ、大切なことなので正直に書きます。
素人の方が頭蓋骨の状態を評価したうえで、しっかり調整するのは、まず不可能です。
頭蓋障害の評価と施術は、徒手療法を生業としている人間から見ても非常に高度な内容になります。
そのため学ぶためのハードルも高く、かつ継続的な学びが必須になる領域です。
なのでしつこいですが、一般の方が頭蓋障害の状態を評価し、調整するのは、まず不可能です。
ごくまれに居る、とてもセンスの良い方ならばうまくいくこともありますけどね。
「自分で出来ないんじゃ、意味ないじゃないか」とブラウザバックしようとしたそこの貴方、安心してください。
少々インスタント的なアプローチにはありますが、一般の方でも行える方法はあります。
しかし、脳に器質的な疾患を抱えている方は、場合によっては悪化させてしまう可能性があるので、絶対に行わないようにお願いします。
頭頂部を指先でタップします
頭頂部には矢状縫合という縫合があります。
この縫合のラインに沿って人差し指か中指で軽くタップしてあげてください。
タップ?なにそれ?と思った方は、会社で上司が部下に説教するシーンを思い浮かべてください。
ふんぞり返った上司がネチネチ小言を言いながら机を指先で軽く叩いている場面が脳裏に浮かんだことと思います。
そうです、この嫌な上司が机にやっているのがタップです。
お子さんに行う時も、このくらいの強さでやりましょう。
頭蓋骨は軽い力を加えることで調整されます。
教本によっては「コイン1枚分の圧力を~」とか「5gの力を加え~」などと書いてあるくらいです。
強すぎる刺激はかえって逆効果になります。
矢状縫合への刺激には、ひきつけやパニック、不安を抑える効果があり、更に大脳皮質や小脳に刻まれた機能障害の記憶を減らすともされています。
なので私自身は古傷を抱えた患者さんに、施術の仕上げとして使うこともありますね。
けっこう良い反応が出ることが多いです。
実際に行う時は、矢状縫合の前側からスタートして徐々にタップする指を後ろへと移動させていきましょう。
お子さんによっては、パニックを起こしていてもこの矢状縫合タップをすることで即座に落ち着きを取り戻すことがあります。
またうちの息子もそうなんですが、「ここをやってくれ」とばかりに親の手を持って誘導する人も多いです。
そうなればしめたもの!
彼らの望み通りにしてあげましょう。
タップしながらお子さんの顔を観察してみてください。
気持ちよさそうな顔をしているならば、貴方の指がお子さんの頭蓋障害に良い影響を与えているのは間違いありません。
もしも嫌がる素振りを見せたら?
その場合、刺激が強すぎるのがほとんどです。
先ほど書いたように、頭蓋施術は非常に弱い刺激を用いて行います。
敏感な箇所を強く触られたら誰だって身体をよじって逃げたくなりますよね?
それと同じです。
嫌がる素振りを見せたら、もう一度優しくタップを行ってみてください。
それでも嫌がるようならば、矢状縫合がきつくロックしてしまっていてタップされるのが痛いのかもしれません。
その場合は、両手の人差し指から小指までを使って、優しく矢状縫合を離すように力を加えてみましょう。
矢状縫合が緩むと共に落ち着きを取り戻すケースは、多いです。
こうすることで、矢状縫合のロックが緩み、落ち着きを取り戻すケースもあります。
ぜひお試しください!
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